第一回:いいよ、奥日光。
~シリーズ「ミツオ」とは~
一般的に「職人気質」といえば「がんこ」「こだわり」という言葉が想起される今、美しい仕事に定評のある浜野製作所きっての職人「豊嶋三男(ミツオ)」氏の活動を通して、改めて「本来の職人気質とは何か」を問いかける企画である。実は、「こんな人がいますよ」、ただそれだけを伝えたい企画である。
まず、最初の回なので、カンタンにミツオさんの仕事を紹介したいと思います。
では本題へ。第一回目はミツオさんが撮影した奥日光の絶景をお届けします。聞き手は編集人Mです。
【前知識】奥日光とは
奥日光(おくにっこう)は、栃木県日光市の日光連山から金精峠付近にかけての秘境を指す俗称である。
WikiPediaよりhttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A5%A5%E6%97%A5%E5%85%89
奥日光の魅力
M 奥日光ってこの辺り(東京都墨田区)からは遠いような気もしますが、車じゃないと行けない所なんですか?
日光までは電車でも行きやすいし、そこから奥日光あたりへ行くにはバスがあるよ。中禅寺湖って有名じゃない。 その湖沿いの道を1時間くらい歩いてちょっと街道を上がると「竜頭の滝」っていうのがあって、そのあたりから奥日光。っていってもすげー広いエリアだから、歩いて行ける場所は限られるけどね。
M ほうほう。では、早速その「竜頭の滝」の写真をお願いします。
M 月並みな表現で申し訳ないですが、すっごいきれいですね。上の2枚の写真は微妙に時期が違いますよね?紅葉してますけど、11月頃ですか?
両方とも9月末くらいかな。同じ時期でも行った年が違うんだよね。毎年行くんだけど行くタイミングで様子が違うよね。
M 9月下旬でこんなにも葉が色づいているとは。奥日光ってだいぶ涼しいんですか?
涼しいなんてもんじゃないよ。冬とかマジ寒いよ。30分じっとしてらんないよ。
M ひぇ、ハンパなく凍っていますね。この氷柱って何ですか?
これは、中禅寺湖の水が風に吹かれて固まってんだよ。マイナス20℃くらいの日に撮影したこともあるよ。
M えっと、そんな寒い日に行ってるんですか?
まぁね。でもさ、こんな人たちもいるからさ。
M なんですか?釣りしてる人?
これ、レスキューの訓練してたんだよね。すごいよね。大変だよ。
M 正に、極寒の中の訓練。レスキュー隊の人には頭が上がりませんね。基本的に冬の奥日光は雪景色なんですね。
M さっきの氷柱の写真でも気になってたんですけど、こういう写真って、どういう場所から撮ってるんですか?
人が入っていいギリギリの所まで行くよね。滑って危ねぇから気を付けないといけないんだけど。
M 晴れの日じゃないとキレイに撮影できないですよね。撮影をする日ってどんな風に決めてるんですか?
そうだね、週末に天気予報とか見て「今日は撮れるな」って時に行くね。こういうのもあるよ。
M すごい、虹ですね。これ、狙って撮れるんですか?
いや~、そりゃ最初からは無理だよね。何回も行ってるから「この季節のこの時間なら撮れるな」っていうのが分かるの。それでも、お天気次第だから「行ってみてダメだった・・・」なんてことはザラにあるよ。
M 何回も行く中で、奥日光でのお気に入りの場所とか季節はあるんですか?
四季を楽しむから全部いいよね。新緑の時は滝とか湖とか綺麗だったりするしさ。さっきの竜頭の滝をさらに山間に上っていくと「小田代ヶ原」ってとこがあって、そこもすげーいいんだよ。草紅葉っていうのが有名でさ。
M なんか幻想的ですね。ってかこれ何時に撮ってるんですか?
これは朝焼けだよね。紅葉の時期とかだと、昼間は人がいっぱいになるからチャチャっと行くんだよね。小田代ヶ原の隣に「戦場ヶ原」っていうのもあるんだけど、そこもいいんだよ。両方ともラムサール条約(※)に登録されてるからね。ちなみに、日光は国立公園だからね。
※ラムサール条約:特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約 ラムサール条約とは(環境省)
M (この人観光協会の人かしら)
さらにこの戦場ヶ原を超えて湯元温泉の方に向かっていくと「湯滝」っていう滝があって、これもいい。ちなみに、湯滝は標高1,500mくらいのところにあって、さっきのレスキュー隊の人たちはこの滝が出てくる「湯ノ湖」っていう湖の氷の上で訓練してたんだよね。
M 湯滝もいいっすね。
いいっしょ。
M 竜頭の滝から湯滝までも結構距離があるとおもうんですけど、歩いて行ったんですか?
そうだよ。
M 帰り道どうするんですか?
湯滝からさらに上って湯ノ湖の向こうにある湯元温泉で一泊して、また同じ道を帰ってくるの。
M 温泉、いいですね!
俺、温泉にも詳しいのよ。
M (気になる!)
次回につづく