【2】「何が伝わるか、が大切。」~サトルゴ母インタビュー①~ ぴょんぴょん サトルゴ Vol.1~
エシカル男子のやさしく、逞しい物語
身長180cm超、パンプアップに余念のない、うさぎ(ラビット)のハートを持つ漢、サトルゴ。H野製作所に20年間身を置きつつ、キャリアの節目に大学院に行き、SDGs案件を推進するアツいハートと大胸筋を持つスナイパーサトルゴが、今日も行く!
大物の陰に偉大な母あり。前回、ひょんなことから喜寿を迎えようとするタイミングでお弁当屋さんを起業したサトルゴ母の話しを聞きつけ、ただ事ではないと直観した編集人Mは、サトルゴ本人そっちのけで、お母さまへのインタビューを決行したのだった。
M 先日いただいたお弁当、本当においしかったです。
ありがとう。
M お弁当に入っている法蓮草のお浸しってクタっとしているイメージがあったのですが、いただいたのはシャキシャキしていて、驚きました。
夏の法蓮草と冬の法蓮草は違うのよ。その違いを知ってチャンとゆでるとシャキっとなりますよ。
M 知りませんでした!ちらし寿司の具の歯ごたえもよくて。
具材を別々に茹でているんですよ。全部味が違うの。
M だからあんなに美味しかったんですね。お米も丁度良いかたさで。
お米はガスで焚いてるんですよ。
M なるほど…美味しいわけですね。お料理が好きで調理の道に?
ううん(笑)
M (なんですと?)
私は兄弟が沢山いる中の末っ子だから何にもしなくてよくて(笑)。結婚して、サトシ(サトルゴ)が生まれた後、社会参加したいな、と思って26歳の時に保育園の給食部の調理師募集に応募して、採用されたのが料理の道に進んだきっかけです。
M 毎日こんなに手の込んだお料理を給食で出してくれるとは、ステキな保育園ですね。
保育園だけじゃなくて養護施設など幅広く運営しているところだったので、乳幼児から後期高齢者まで様々な人と関わってきました。「本当の意味で人をもてなす」ということを考えて、100年以上の歴史の中でずっと食事を大切にしていて。
M 今で言う「食育」に力を入れているんですね。
給食について言うと、「もっと楽しい給食」というテーマで取り組んでいてね。食事を提供するだけでなく、子ども達と一緒に餅つきをしたり、「噛む力」が発達するように、手づくりスルメで「かみかみイベント」っていうのをやったり。スルメをつくっていると職員から「一杯飲みたくなる」なんて言われましたね(笑)
M 面白いなぁ。それらはご自身で企画なさったんですか?
そうです。色々なことに挑戦させてくれる職場で。「何ができるだろう」と考えながらやっていましたね。高齢者向けのプログラムを実施する時も、必ず食事をつけていました。
M 食と関係のないプログラムでも、食事を出すんですか?
例えば、お習字のお稽古が終わった後、必ず手づくりのご飯を食べる、といった感じです。そうすると、お稽古の時間が終わった後に「はい、さよなら」ではなくて、食事を共にすることでコミュニケーションが生まれて、人の輪が広がっていくんですよ。
M いわゆる「同じ釜の飯を食う」というのですか。
全然知らない人でも、美味しい食事を食べたら「美味しいですね」「これ何かしら」って、会話が生まれますよね。
M たしかに。
それに、美味しいものを食べたら幸せになるでしょう?美味しいものを食べながら怒っている人っていない(笑)
M たしかに(笑)
それって、とても大事なんです。いま、簡単に食事をとる方法って色々ありますけど、食事を通して「何が伝わっていくのか」っていうのが大事だなって。
M (そんな想いでつくられたごはん、美味しいに決まっている)
それで、美味しいって言ってもらえたら、作った人も幸せになれる。
M なんという幸せな循環。
やっぱり、人を大事にするっていう事だよね。
インタビュー開始から15分、料理人サトルゴ母の心意気にシビれる編集人M。「サトルゴが心身共に大きく育ったわけだ。」と、ただただ、うなずくのであった。
(つづく)